『月の影 影の海(上) 十二国記』
小野 不由美 / 新潮社 / ISBN 9784101240527
あくもの推しコメ
書店で新刊が平積みされているのを見て、喜びのあまり泣いたことがありますか? それが私にとっての十二国記です。 どんなに絶望的な状況でも、決して下を向かず、己の信念や大切なもののために進み続ける。譲れない何かのために命を賭ける。その強さに憧れ、励まされ、叱咤され、十二国記から教わったことが私の人生の一部になりました。 主人公の女子高生・陽子が、ある日突然 中華文化を思わせる異世界へ飛ばされるシーンから物語が始まります。荒んだ国を彷徨いながら、原因となった『けいき』と呼ばれる人物を探し元の世界に戻ろうとする彼女を中心に展開するのがこのシリーズ第一章です。陽子が遭遇する出来事、それによる変化、そして最後の決断まで、はらはらして目が離せません。中学生だった私は授業中に机の下で読みふけっていました。 以下シリーズごとに主人公を変えながら、十二の国を持つこの世界の有り様が紡がれていきます。登場人物たちの個性や関係性にも惹かれますし、「もはやジャンルを『歴史』にしてもいいのでは」と思うほどの、大河ドラマのような迫力も大きな魅力です。十二国記を語る上では外せません!登場人物たちの生き様や国の行く末がとてもダイナミックに描かれ、ページを捲る手が止まらなくなります。更に神話の世界のようなファンタジーのエッセンスもあり、世界観の壮大さはもう唯一無二です。 もともとティーンズ向けのレーベルから出版されていたのですが、そうとは思えぬ重厚さ。最新シリーズ(短編を除く)の『白銀の墟 玄の月』ではあまりの苛酷さに、何度も先が読めなくなるほど嗚咽しながら追いかけました。 間違いなく思春期の私を守ってくれた物語のひとつですが、大人が読むと機微が理解できて更に面白いはず…!まだ読んだことがない方にも、ぜひ体験してほしいです。 難しい漢字がばんばん出てきますが、慣れます!(読めなくても記号みたいな感じで認識できるようになります!)